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LGBTの就労状況と企業の支援
報告文「LGBTの就労状況と企業の支援」
当分科会では、「LGBTと職場環境に関するアンケート調査 niji VOICE 2020」(特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ・国際基督教大学ジェンダー研究センター共同研究調査)より、LGBT当事者の就労状況を直近のデータから紹介し、その上で、実際に企業で働くLGBT当事者と企業のLGBT支援の実態を、3社の事例を通して紹介した。
参加企業は、損害保険会社、フリーランスなどのジョブマッチング企業、障害者の就労支援企業である。さまざまな業種におけるLGBT当事者の困難な体験・喜ばしい体験談とともに、より良い就労に向けてのアクションの方法を提示することで、就労イメージを持ちにくいLGBT当事者へのロールモデルの提供となった。
またLGBT当事者の働きやすさ・働きがいを高めようとするそれぞれの企業の取り組みを伝えることで、今後取り組みを進める意欲のある企業、現在の取り組みをさらに推進したい企業への課題解決のヒントを提供する内容となった。
質疑応答では、就職・転職活動に当たってLGBT当事者が働きやすい企業を選ぶポイントや、心理的安全性が担保された企業の特徴などにについて意見交換がなされた。
【参加者の感想】
●企業の方、現在働いている方、大学生、様々な人と交流させていただきました。すべての人が安心して楽しく働けるような環境を整えようとしている会社が、この社会の中で少なくとも存在しているということに希望をもてました。4年後、私が働くときには今日教えていただいたことをヒントに、自分に合う会社を探したいなと思います!ありがとうございました。
●多様性を受け入れていく、マイノリティが当たり前に社会に浸透していく世の中になっていってほしいと思いました。講座を通して心理的安全性というワードも多く出ており、誰でも安心して働き、生活できる世の中に変化していく、明るい未来を感じさせてもらえる講座でした。
2022年2月4日(金)
13:30~15:00
登壇企業
今将人(ファシリテーター)損害保険ジャパン株式会社。
パーソルチャレンジ株式会社
株式会社Waris
セクシュアリティも精神障害もオープンにして働くいち会社員として、2021年の大会で「企業事例分科会」に登壇させていただきました。本年度は司会として、調査データをもとにLGBTの就労状況を確認し、個人の事例と複数の企業の支援を紹介させていただきます。
LGBTの就労にはどのような困難があるのか? その困難はどのように解決できるのか? 企業にはどのような支援が求められているのか? 企業がLGBTを支援することで達成されることは?
「女性として働く、つまりお化粧をしてスカートを穿いてお茶汲みをし、男性のサポートを期待される」。自分自身、学生アルバイトの頃からそんな就労イメージしか持てず、卒業後は工場労働や交通警備員など、不安定な就労形態で食いつないできました。生活の不安定さが精神疾患を悪化させ、さらに就労が不安定になっていく、というスパイラルの中で、「会社で働く」ことは決して「当たり前のこと」ではないと実感していました。
LGBT当事者が就労に至るまでの困難、就労した後の困難は、データからも特徴が見て取れます。本大会では、LGBT当事者が働きやすい企業について考え、自分が活かせる企業とはどのようなものか、企業の支援がどのように自分を活かしてくれるのか、企業がLGBT当事者を支援する意義について、引き続きいち会社員としてお話します。
学生の皆さんには、将来の働くイメージを持っていただきたい。企業の皆さんには、LGBT当事者が強みを活かして働くヒントを持ち帰っていただきたい。横のつながりを作ることで、共に生きやすい社会を作って行きましょう。
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