分科会
1/12(日)14:30~16:00【分科会F】
【F-3】セミナー室2
宮田りりぃ
トランスジェンダーとセックスワーク
分科会報告
トランスジェンダー・セックスワーカーに焦点を当て、調査研究の結果や発表者自身の経験をもとに、実態や当事者たちが直面しやすい困難についてお話した。
まずは、セックスワーク概念やセックスワーク内の多様性などの背景知識に加え、2010年代以降海外ではトランスジェンダーを対象とするエイズ対策の重要性がよりいっそう注目される一方、日本では未だほとんど注目されず対策も進んでいない現状についてお話した。
次に、トランス女性/男性のセックスワーカーを対象に実施した調査研究について紹介した。そこでは、性別越境を伴ってセクシュアルヘルスに関する意識が変化したり、出生時に割り当てられた性別によって差異や不平等が生じることについてお話した。
最後に、発表者が携わっているMSM(男性とセックスする男性)のセクシュアルヘルス増進のための活動、セックスワーカーの健康と安全のための活動、トランスジェンダーが安心して暮らすための活動といった一見ばらばらに見える活動の全てが、トランスジェンダー・セックスワーカーの安心・安全・健康な暮らしにどうつながっていくかについてお話し、参加者を交えた意見交換へと移った。
意見交換では、さまざまな活動においてトランスジェンダーが潜在化しやすいことや、自身の性のあり方に向き合いながらセックスワークを続けること、セックスワーカーの労働環境を改善することなどについて、様々な立場からコメントや質問が挙がり、議論を深めることが出来た。
参加者の感想
・HIVなどゲイ男性、男性同士の性行為での感染は高いというのは知っていたが、トランスジェンダーでの感染についてまで考えたことはなかった。
・教育機関で働いており、対象が青年期とあってSEXに関わる話題は必然的に出てきますが、それに対応するリソースがないという問題があります。本日の情報、参考にさせて頂きます。
・うかがうことがない、貴重な機会をいただきありがとうございました。トランスの方が、感染予防の
面などで周辺化しやすいことや、その中でも、様々なとりくみもされていることを知ることができま
した。労働環境(社会保障、ユニオンなど)がよりととのうとよいと思いました。
・TGの中のきはんから外れることがコワイとか悩みがあるということに、私だけじゃないんだとほっ
としました。社会保障を保証できる店をつくりたいと思いました(働く人は社保ほしくないのでは?
という意見もあった)。