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分科会

1/12(日)12:30~14:00【分科会E】

市民パートナーシップ

【E-2】大会議室3

同性婚とLGBTの医療・福祉・教育~親密な関係の法的保障をめぐって~

「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟弁護団

分科会報告

全国4つの地方裁判所(札幌、東京、名古屋、大阪。その後、福岡が加わり5つ)で、国に対して同性婚の法制化(立法化)を求める集団訴訟を始めてから、まもなく1年が経ちます。大阪地裁でも既に3回の裁判が行われています(2020年1月現在)。被告である国の主張(反論)も次第に明確になり、訴訟はいよいよ本格化しています。 同性同士のカップルも様々な形態があり得る「親密な関係」の一部ではありますが、異性カップルの婚姻であれば当然に認められる法的保障が認められていないという問題点があります。相続できない、緊急時に病院で面会しづらい、子どもとの関係が不安定などさまざまな問題があります。


この分科会では、前半は、裁判では何が争点なのか等について、弁護団の大畑泰次郎弁護士、三輪晃義弁護士、寺野朱美弁護士からそれぞれ説明し、後半は、参加者と弁護士とのグループワークを行いました。原告側の主張は、「国は、同性婚を認める法律を作っていない。その怠慢により、原告は「婚姻の自由」を侵害されただけでなく、婚姻をすることのできる異性カップルに比べて差別的扱いをされている。それによって原告は精神的苦痛を負った。国は、精神的苦痛に相当する金銭を賠償すべきだ。」というものです。現在、同性カップルが婚姻届けを役所に提出しようとしても、受け取ってもらえません。また、日本では、法制度上「違憲だから法律を変えろ」というだけの訴訟はできないため、賠償を求めることになっています。


 原告側主張:
1.​婚姻の自由は憲法上の権利である
婚姻は当事者同士の合意によってできる
→※本訴訟での国からの主張書面においても、国は禁止説には立っていない
2.​平等の原則に違反している。
セクシュアルマイノリティに対する差別は「性」に関する差別であり「性別」に基づく別異取扱いである
3.​立法不作為が国賠法上違法である
違法性が明白である
(1)国会、行政機関においても性的指向を理由とする制約・差別が許されないという認識の確立・浸透がなされている。
(2)同性カップルの婚姻を可能とする法をつくることが世界の流れである。
(3)日本における同性カップルの婚姻を求める声の高まり。それに対して被告(国)の反論は、同性婚は想定していないという一点です。


憲法24条1項(婚姻の自由)は、同性婚を想定していないだけで、同性婚を認める法律を設けないことは違憲ではない。同性婚を認める法律を設けないことが憲法14条1項(法の下の平等)に違反しているわけではない。
国からの反論でも同性間は禁止されているわけでないことはわかりました。想定していないだけで終わらず、想定していくべきことです。

後半は、グループに分かれてワークショップ形式で参加者の皆さんと考えました。
テーマは、1.同性婚がないことで実勢に困ったこと、困ると思うこと。2.同性婚の法制化を進めるために大事だと思うこと の2点でした。各グループにひとりずつ弁護士さんが入り、話し合いました。70人以上の参加者があり、急遽、別の分科会に参加中の弁護士さんが応援で駆けつけ、計4人の弁護団の弁護士さんが関わり、参加者の意見も活発に出るグループワークとなりました。*裁判の、今後の動向については「結婚の自由をすべての人に」のサイトを検索して見られます

(以上の報告書作成において寺野朱美弁護士、三輪晃義弁護士の資料を引用、参照しました)。

市民パートナーシップ

【E-2】大会議室3

同性婚とLGBTの医療・福祉・教育~親密な関係の法的保障をめぐって~

「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟弁護団

日本には、同性どうしのカップルがたくさん暮らしています。それでも、婚姻という選択肢を得られず、さまざまな困難を抱えています。
 2019年2月、札幌、東京、名古屋、大阪の4地域に13組の同性カップルが、国を相手方として、同性婚の法制化を求める訴訟を提起しました(その内、大阪は3組です)。また、福岡でも9月に1組の同性カップルが提訴しました。日本弁護士連合会や日本学術会議が同性婚の権利保障を提言している一方、G7で同性婚やそれに準じる制度がない国は日本だけです。
 婚姻制度は、親密な関係の一形態ではありますが、法的保障の基盤になるものです。医療・福祉の現場でもそうですし、子育てをする同性カップルも増えていく中、教育現場での同性カップルの理解と権利保障も喫緊の課題です。

裁判の状況を報告するとともに、「結婚の自由をすべての人」に保障するための行程を参加者の皆さんで共有したいと思います。

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