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分科会

1/12(日)10:00~11:30【分科会D】

現代のダイニングルーム

【D-3】セミナー室2

主催:性的マイノリティ医療・福祉連絡会関西

前田邦博(グッド・エイジング・エールズ理事) 

梅田政宏(株式会社にじいろ家族 代表取締役)

住まいを失ったセクシュアルマイノリティを支援する

分科会報告

ホームレス状態になったセクシュアルマイノリティをどのように支援しているか報告されました。
 前田邦博さんからは、LBGTハウジングファースト・東京を開設した経緯や実際の支援について話しがありました。ハウジングファーストと􏰁は、住まいを失った人に安心して暮らせる住居提供を最優先する考え方です。


 現在、日本ではホームレス状態の方が最低限の文化的生活をするため生活保護を受けようとした場合、最初に住める場所は、施設で多くの場合は、集団生活になります。そのため同性からいじめや暴力を受けたゲイ・バイセ クシュアル男性が利用しづらかったり、トランスジェンダー当事者 が、自分の希望する性別で􏰀支援を受けられないなどの現状があります。そこで必要性を感じ、同団体は、設立されました。2017年8月から開設の準備を行い、2018年5月にキックオフイベント、 7月13日 クラウドファンディングを実施(~9月30日 1,562,000円で達成)。2018年12月に物件契約をしました。2019年1月には1人目の入居者、発表当時で4人目の方がご利用でした。入居期間は基本的に3ヶ月以内 (1〜2週間􏰁無料)。ハウスの住所で、生活保護を申請。スタッフがハウスを訪問して面談を行うなど、自立に向けた支援を行っています。就労支援や医療機関へ受診など、関連支援団体と連携が重要です。今後􏰀の課題は、1、長期的な予算と安定的な運営(昨年実施したクラウドファンディングは、1年分のみの資金) 。2、スタッフの人件費と交通費(スタッフ全員が無償。)。3、長期的な予算と安定的な運営(現状1室のみ、複数の待機がある)。4、地域保健福祉サービス等と連携 (同行支援やソーシャルワーク部分をどこまで担えるか) 5、難民など外国人支援団体との連携です。既存制度や福祉サービスのあり方􏰀を見直すことや、公的制度拡充につなげる必要もあります。LGBTコミュニティ内では分断でなく、それぞれ􏰀 得意分野が持ち味をいかし、協力し合える関係を築いていけたらと締めくくられました。 梅田政宏さんからは、西成区「釜ヶ崎」地区での取り組みを話していただきました。梅田さんは、大阪市西成区で介護保険のケアマネージャーをしています。仕事関係でもゲイであることをオープンにしています。


ホームレスに潜む見えない多くの仲間たちを感じています。「夜の発展場」で会う人たちは、昼間にあっても素知らぬ顔。「昼の地域」での繋がりを創出していきたいと行動しています。見えない、しかし確実に存在するセクシュアルマイノリティ当事者へのサイレントアクセスを心がけながら、地域住民の場である夏祭り・越冬闘争に釜ヶ崎実行委員として関わったり、特掃祭りへの参加をしています。地域に根差した活動をしています。後半はパネルディスカッションと質疑応答でした。ホームレス状態になった人は、生活保護になる際に、保護費で住居を構えることが出来ず、まず、救護施設での集団生活を行うことになっています。西成では、日雇い労働者の高齢化などがあり、その方々が宿泊していたドヤ(簡易宿泊所)が生活保護の住宅に移行していっている現状があり、ホームレス状態のかたが他の地域よりも住宅を借りられる環境にあります。住むところがあればそこの住所で生活保護を申請できます。


そういった地域では、LGBTハウジングファースト・東京が行っているようにセクシュアルマイノリティ専用の1人住居がなくとも、救護施設を経なくても地域で住居を構え生活することが可能です。しかし、このような住居がなく経済的に困窮している人が新たに住居を借りられる地域はまれです。現在、住まいがなく経済的裏付けのない人が住居を貸りることが難しいのが現状です。それ故にセクシュアルマイノリティ も安心して住める場所が必要になっています。

現代のダイニングルーム

【D-3】セミナー室2

主催:性的マイノリティ医療・福祉連絡会関西

前田邦博(グッド・エイジング・エールズ理事) 

梅田政宏(株式会社にじいろ家族 代表取締役)

住まいを失ったセクシュアルマイノリティを支援する

住まいを失い「ホームレス状態」になった、あるいは現在なっているというLGBT当事者の方が少なくないということがわかっています。その問題を解決するため、ハウジングファーストという考えのもと、東京で住む家を確保する支援を行っている前田さんからお話しいただきます。


 また、大阪ではどのような状況なのか、大阪市西成区で高齢者のケアマネジャーをしている梅田さんからお話いただきます。西成にはさまざま状況からそこへやってくる人々がいます。西成という包括的な地域生活でセクシュアルマイノリティの人がどのように生きているのか。東京と大阪の事情の違いを比べながら、それ以外の各地域でもセクシュアルマイノリティが生きていくための住まいの確保、そしてネットワークを見出すための分科会です。

住まいが安定していない、家を出ないといけないとき、知り合いがすでに住まいがないとき、自分や周りはどうしたらよいのか知る機会をもてたらと思います。また、一時保護施設職員の方や自治体職員の人にもLGBTの状況を知っていただきたいと思っています。    

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