分科会
1/12(日)10:00~11:30【分科会D】
【D-1】大会議室1
織田裕行(精神科医) 池下克実(精神科医)
【大会企画】GID診療:専門外来ではない精神科で何が出来るのか
分科会報告
本分科会は、専門外来と、非専門外来の精神科のそれぞれの役割について再考することを目的とした。
専門外来でない精神科で何ができるのかを考えるにあたり、まずは専門外来について知ることが必要である。織田先生より、ガイドラインに沿った診療とは何か、専門外来はなぜ存在するのか、そもそも専門外来を受診しないといけないのか、についてお話しいただいた。
結論としては、「専門外来」受診や「精神科受診」は 必ずしも必要 ではない(本人“”の希望や、他の病理の存在を考慮する必要はある)ということであったが、重要な事として、本人が「どうしたいのか」を聴くこと、それぞれの居場所(地域、学校、職場、家庭)で相談や対話ができる環境づくりをすること、その人の存在を「ないこと」にしないこと、望みの性で生きることを休憩や後戻りもできるようにしつつ「試みる」こと、「診断の確定」「身体的治療」は本当に今すぐ必要かを熟慮すること、をあげられた。
池下先生からは、奈良県立医科大学附属病院での臨床経験や、現在勤務されているいちメンタルクリニック日本橋での現状をご説明いただいた後、現在池下先生がジェンダーに関連するケースで対応されているものをご紹介いただいた。発達障害やパーソナリティ障害を主訴として受診された方によく話を聞いてみると、性別違和を抱えていたり、ジェンダークリニックにかかっていた経歴があったりすることが分かり、その場合どのように専門外来につなげるか等具体的な関わりをお話しいただいた。
その中で、 一般の精神科で通院しながら、時々専門外来で並診し性別違和に関わる課①題の相談や情報提供をもらいたいということや、 特に児童期・思春期の事例は判断が難②しいため、早期に相談できる窓口につなげられたら良い、という期待もお話いただいた。
ジェンダーに関連するケースについて、すべての精神科で受け入れをしているわけではないのが現状である。受診できる精神科が増えることも大事ではあるが、受診される側の精神科Dr.が、専門外来のDr.と連携できる体制を整えておくことも重要である。また、そもそも精神科を受診する必要があるのか、家庭・地域・学校・職場等の身近な関りの中で相談に乗ったり支えていける環境ができているのか、を考えていく必要があると感じた。
(報告者:真鼻弘美)
【D-1】大会議室1
織田裕行(精神科医) 池下克実(精神科医)
【大会企画】GID診療:専門外来ではない精神科で何が出来るのか
精神科の役割は何か?
専門外来の織田裕行先生(精神科医)と大阪市内で診察をされている池下克実先生(精神科医)をお招きして、トークセッションを行います。
専門外来受診者の目的と専門外来の役割はあっているのか。性別違和に対する診察は専門外来でしかできないのか?それぞれの役割を整理します。
最後にフロアからの質問にお答えする時間も設けます。
医師やコメディカルはもちろん、色んな立場の皆さんと一緒に、専門外来や精神科の役割について改めて考えてみたいと思っています。専門外来のDr.と、専門外来ではない精神科Dr.にそれぞれ日頃の思いを含めてお話ししていただきます。珍しい機会かと思いますので、皆さま是非ご参加ください!