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【登壇者】
藤井ひろみ (大手前大学 現代社会学部 教授)
​司会:有田啓子

【開催形式】録画配信+LIVEでQ&A

<企画内容>
 ミソジニーが強く、女性が尊重されにくく、ジェンダーギャップの大きな社会にあって、愛情や尊敬を女性に注ぐレズビアンや、女性をパートナーにしたバイセクシュアル女性の、生きづらさと心身の健康の維持がいかに危機にさらされるかを、当事者、医療従事者、研究者として、強く感じてきました。そこでこの分科会は、日本でいまだマイノリティであるLGBTQs、特にその中で医療や健康課題を見過ごされやすい女性である、レズビアンやバイセクシュアル女性の健康を追求していくための、きっかけの一つとなることを、目指しています。
 病の治療や癒しのための看護やケアの過程は、クライアントとケアギバーの相互の参加を特徴とすると言われています。が、セクシュアリティを公にすることも、カミング・アウトしても真っ当な理解が得られないことも多い中、レズビアンやバイセクシュアルの女性はどのように、健康を維持・増進していく内なる力を活かしてきたのでしょうか? このことを、看護やケアに関わる保健医療従事者や、支援者は、もっと知りたいと、感じてほしいと思います。
 異性愛ではない多様な女性にとって、医療を受ける際に癒しを得ることやサバイバルの方略は、どのようなものなのでしょうか?あるいは、レズビアンやバイセクシュアル女性に対してのみならず、多様な人々に対し平等にケアを提供する環境を実現するとは、どのようなことなのでしょうか?同性愛も両性愛も、健康障害ではありません。にもかかわらず、レズビアンやバイセクシュアル女性は、異性愛の女性と比べて、同じ程度の健康レベルを維持するのに、同じ程度のコストを支払うだけですんでいるのでしょうか? 
 こうした問いを考え、調査や研究について知り、意見交換したいと思います。

<講師メッセージ>
発表者(企画者)は、助産師として現場で働き、現在は看護と助産学の教育者・研究者として働く、バイセクシュアル女性です。『レズビアンヘルスと看護研究』(2020晃洋書房)という自著の内容も紹介しながら、現場でのことからSOGIに関わる政策提言まで、思うところをお話ししつつ、皆さんの考えや経験とも相互に知恵を分かち合えればと思います。女性としてのジェンダーを生きる人、生きてきた人、レズビアン、バイセクシュアル女性の、参加を歓迎します。そして保健医療従事者やその卵の皆さんの参加もこのテーマに「ピン!」ときた人で話し合いましょう。

<企画者メッセージ>

医療従事者の皆さん。この分科会に関心を持っていただきありがとうございます。藤井さんは、著書の中で、医療機関のなかで発せられる信じられないような医療従事者の発言や、それらを目撃した当事者たちがどのような感情を抱いてきたかを詳細に聞き取り記録しています。あなたももしかしたら、同僚の言動に、心を痛めておられるひとりかもしれませんね。ぜひ、この機会に、体験を共有して、パワーチャージし明日からの現場で活かす栄養を得てください。

看護研究に取り組む研究生の皆さん。ご存知の通り、藤井さんは、これから参入される研究者のために、自らの研究上の様々な手法を詳細にこの本のなかに記録として残しておられます。藤井さんに直接おはなしを聞く、絶好のチャンスです!!

そして、当事者の皆さん。私たちは、この機会を利用して、声をあげ、いまの医療環境をほんの少しでもよりよいものにしていきましょう。そのためにも、あなたの体験を共有させてください。日本の病院をもっと安全で居心地のよいものにするにはどうしたらよいか、藤井さんとともに一緒に考えていきましょう。それをこの大会を通じて、訴えていきましょう!最後に、いままだ名前もない、認知もされていないがしかし、社会の片隅で無理解に苦しむ人たちもいます。できることならば、そういう人たちをも排除しない医療現場となることを願っています。

【この分科会を観る人に断然おススメ!】1/15(金)17:00~18:30
助産師ができること ~思春期セミナーにおける多様な性の啓発
こちらも併せてご参加ください!

報告文

レズビアン/バイセクシュアル女性の健康をめぐり、とてもわかりやすく、また、新しい気づきのある意義深いお話を伺うことができました。

当事者だけでなく、医療従事者の方々のご参加が多数あり、とてもよかった、これからの実践に活かしていきたいという感想が寄せられるなど、医療従事者と当事者の橋渡しとなる充実した分科会となりました。

 

以下に、当日の参加者から寄せられた感想から一部引用させていただきます。

「医療者として、人と人として接しているつもり、になっていないか自分の行動を立ち返るきっかけを頂きました。自分の中の前提に偏りがないか、目線を合わせられているか今一度振り返り心に置いて接していきたいと思います。」

「助産師です。今まで学んだことが無いテーマだったのですが、患者さんと接する時の大事なポイントはレズビアン・バイセクシャル女性かどうかにかかわらず共通していると感じました。病状説明や同意書などが必要な場合、私が勤める施設ではまだ家族限定なので、関係性をたずねる必要がありますが、今後医療のシステムが変わっていくことに期待したいです。カミングアウトを越えるコミュニケーションが普通にとれる医療者であるよう、努力していきたいと思います。今日は貴重なお話をありがとうございました。」

「私は当事者であり、心理職を目指している大学院生です。今回、先生の研究に沿ったお話を聞くことができ、大変勉強になりました。医療機関におけるお話でしたが、中には心理職として働くうえでも重要だと思うようなこともありました。「患者は最初は、医療者を同じ人間だと見えていない」という言葉が印象に残りました。支援を求めてくる方にとって、自分はどういう存在なのかを考える必要があると分かりました。

 また、私はセクシャルマイノリティをテーマに研究をしようと考えているため、「その研究に価値があると信じること。未来につながる希望があることを信じる力」という言葉がとても心に響きました。今回のお話を自分の研究にも生かしていきたいと思っています。 貴重なお話をありがとうございました。」

「昨今のLGBTブームは、良い面もあるのですが、今のあるべき「規範」のようなものに沿わないといけないようなプレッシャーも感じてきました。ずっと自分の中のずれをどうしようと思いつつ、放置してきたのですが、今日はお話を聞いて、言語化できる力を得たと思いました。」

「重要他者、という概念が希望です。パートナー制度ができれば、それに則らないといけないような、カミングアウトしないといけないような、また、そうした新規範が人を縛っているかもしれません。考えどころだとしみじみ思いました。」

 

尚、藤井さんは、調査研究を『レズビアンヘルスと看護研究ーレズビアン・バイセクシュアル女性が安心して受けられる医療・健康支援とは』(2020年晃洋書房)として著しておられます。「カミングアウトを超えるコミュニケーションスキルを持つ」など、実践的な示唆も豊富な内容ですので、ご一読をお勧めします。

また、藤井さんも一員である、LGBT法連合会は、国会議員などへのロビーイング活動等、大変活発な活動を展開しています。現在、「Equality Act Japan‒日本にもLGBT平等法を」という署名活動を、国際人権 NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、スポーツとLGBTに関する活動を展開する「アスリート・アライ」とともに、3団体で取り組まれています。ぜひご賛同をお願い致します。

https://equalityactjapan.org/

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大手前大学現代社会学部教授。

神戸市看護大学看護学部准教授、慶應義塾大学看護医療学部教授をへて現職。

専門分野:助産学、女性学、クィアスタディーズ​

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1999年から助産師。2007年より助産師教育機関教員。

LGBTIQと医療看護連絡会」代表

NPO法人QWRC(クイアと女性のためのリソースセンター)監事

LGBT法連合会  共同代表

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