Since 2013
活動・研究報告(パネルセッション)
セクシュアルマイノリティと医療・福祉・教育に関連する活動・研究の報告を一般に広く募集し、セクシュアルマイノリティに関する、みなさまの日々の活動や、研究の成果をご報告いただくものです。
この試みのねらいは、大会の参加者や関係者に、全国で様々な取り組みがあることを伝え、ネットワーク作りと実践共有を促進することです。せっかく多くの活動・研究が行われているのに、お互い知らないままであることがほとんどです。皆様からの報告をWebページ上に掲載することにより、各々の取り組みが顕在化し、それによって実践と研究の相乗効果を期待します。それぞれのがんばりが資源として有効に活用されるよう願います。
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参加方法
分科会のチケットを一つでも購入されている方は、参加可能です。ご案内にあるZOOMのURLからアクセスしてください。パネルセッションのスケジュールは右記の表をご覧ください。
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パネルセッション
・大会開催期間のオンライン交流会の時間において、報告内容の要旨を用い、聞き手との質疑を交えながら 報告者が短時間(5分程度)で報告をすることをさします。オンラインでの交流会は、Zoomを用いて行います。・共有画面を利用し、資料を見せながらの発表となります。
・開始より30分は報告者が滞在していますので、参加者は直接質疑応答が可能です。30分以後は報告者も自由にブレイクアウトルームを行き来して交流します。
※参加人数や、インターネット環境により画面が重くなるなど、動作が遅くなることがあります。その点も踏まえてご参加をお願い致します。
■スケジュール
日程1:2023年2月3日(金)
19:00~19:30
発表1「私がYoutuberになったワケ」セクマイ障害者ウエキチCh.
19:30~20:00
発表2「にじいろQ LINE相談からの報告~なぜLINEなのか。ニーズと傾向~」NPO法人QWRC
20:00~20:30
発表3「インクルーシブな運動施設を運営することで得られるもの」Ninaru
日程2:2023年2月10日(金)
19:00~19:30
(ブレイクアウトルーム1)
発表4「LGBTQ+と公共交通機関アンケート結果」新設Cチーム企画(アクセシビリティ部門)
(ブレイクアウトルーム2)
発表5「3人以上の大人を親として認めることへの賛否をめぐって 欧米の議論より」有田啓子
19:30~20:00
(ブレイクアウトルーム1)
発表6「LGBTフレンドリーな医療機関作りを目指した取り組み」まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト
(ブレイクアウトルーム2)
発表7「SOGIやLGBTQを学べる動画教材で風通しのよい教室に」新設Cチーム企画(吉岡有可)
20:00~20:30
(ブレイクアウトルーム1)
発表8「LGBTQフレンドリーなキリスト教会を目指して♡」虹ジャムもんちゃん
(ブレイクアウトルーム2)
発表9「なぜライフヒストリーの共有が大切なのか 〜Lの歴史を語り継ぎ、文字に残す「日本Lばなし」の試み〜」パフスクール
資料掲載のみ
「れいんぼー神戸の10年」ないとう
「LGBTユース支援の現場から~にじーず関西からの報告~」れん
「フェミニストたちは、今日も山を登る。」フェミ登山部
「NPOフラット・ユース保健室」NPOフラット
活動・研究報告一覧
発表③Ninaru
インクルーシブな運動施設を運営することで得られるもの
2019年からスタートしたNinaruの取り組みは、からだをメンテナンスすることと、ジェンダーを理解したうえで様々なセクシュアリティを受け入れること。 2021年にスタジオを設立してから、ヨガやパーソナルトレーニングを通してたくさんの方と出会いました。スタジオ設立1年が経過し見えてきたのは、運動施設の可能性。運動施設に対して行きづらさを感じている方へのアンケート結果もふまえて、これからの運動施設がどう変わればインクルーシブな運動環境を生み出すことができるのかを発表します。
【メッセージ】 運動施設は未だにジェンダーバイアスが強く、性別二元性をもとに作られています。 インクルーシブな施設が増えたら、運動がもっと楽しくなるはず! そんな環境をみなさんと一緒に作っていきたいです。
発表④新設Cチーム企画(アクセシビリティ部門)
「LGBTQ+と公共交通機関」アンケート結果
バスや電車で人目が気になりますか?同性の恋人といっしょに電車に乗った時、ジロジロ見られたことはありますか?駅のトイレにオールジェンダートイレがなくて困ったことがありますか?マイノリティにとって、公共交通機関は、「逃げ場のない」「閉鎖空間で」「赤の他人(攻撃してくるかもしれない)と」「一定時間を」「いっしょに過ごす」という心理的ハードルの高い状況とも言えます。 今まであまり考えて来られなかった分野である、公共交通機関とLGBTQ+。国土交通省近畿運輸局「移動等円滑化評価会議」に関わるトランス当事者らが、アンケート調査の結果を中心に取り組みを報告します。
アンケート期間:2022年10月1日~12月31日
方法:インターネット上でのGoogleフォームアンケート(現在も回答可)
回答数:60件(2023年1月現在)
【メッセージ】誰もが使いやすい公共の交通とはどのようなものか、そして公共空間の担い手としての交通機関の役割についても、いっしょに考えませんか。みなさんの体験や要望も是非聞かせてください。
発表⑤有田啓子
3人以上の大人を親として認めることへの賛否をめぐって
欧米の議論より
ここ数年、同性婚訴訟が話題を呼び、ファミリーパートナーシップ制度を導入する地方自治体も増えています。同性カップルが子育てを安心して行うためには、カップルの両方が親として公認されることは、必要不可欠です。 しかし、それと同時に、親二人と子どもがいる家族がスタンダードで、二人の親のみが、唯一無二の責任と権利を持つという家族観による制度や通念の不自由さ・理不尽さについても、これまでたくさんの指摘がなされてきました。 ここでは、3人以上の大人を法的な親として公認することについての欧米での議論をレビューしたいと思います。 以下の文献をもとに概略を報告します。 「「二人親」規範を問う~Co-Parentingをめぐる海外の諸議論」(有田) 二宮周平 編著『LGBTQの家族形成支援 ― 生殖補助医療・養子&里親による』 信山社
【メッセージ】 このパネルセッションは、解決策を提示したり、政策提言を行うことが目的ではありません。「3人親構想」だけに限らず、こんな子育てだってあっていいんじゃない?を、語り合う場です。LGBTQをめぐり、政治的な動きも活発化している中で、ラディカルな構想を前面に出すことは差し控える配慮が求められるでしょう。同性婚の動きに水をさすのは避けたいです。でも、ここの場でだけは、子育てをもっと自由に意見交換ができればと思います。いま、オルタナティブな子育てしている人、 いつかオルタナティブな子育てしたいと思っている人、オルタナティブな子育てを応援したいと思っている人、短い時間ですが、実践や意見を共有しませんか。
発表⑥まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト
LGBTフレンドリーな医療機関作りを目指した取り組み
2020年より『まるっとインクルーシブ病院の実装プロジェクト』として、医療者、非医療者、多様なメンバーが参加し、誰もが安心して過ごせる医療機関の実装に向け、対話を基に気づきの共有や知識の向上、また実装のためのプロダクト制作を行っています。その代表として 『実装支援ツール』があります。LGBTの方々が医療機関で遭遇する困難を軽減できるよう、受付 や外来でのより良い対応をはじめとした、医療機関が「安心」な場となるような具体的な取り組 みが記載されています。『実装支援ツール』をベースにメンバーがひとりからでもはじめられるア クションにつながっています。
【メッセージ】私自身は『実装支援ツール』を用い、同僚との対話のきっかけ作り や自施設での勉強会の開催につながっています。まずはひとりでできることをはじめること、そ れを半径1mに広げること、そこからさらに広がったり深まったりしていくこと、そんなことを目 指して活動しています。
発表⑦新設Cチーム企画(吉岡有可)
SOGIやLGBTQを学べる動画教材で風通しのよい教室
「男の子がピンクのかばんなんて、オカマみたい。」「女のくせに目立ちすぎ。」「男のくせに泣くな。」・・そんな発言に心を痛めている子どもたちがいます。この動画は、子どもたちが社会から受けるジェンダーバイアスの刷り込みによってそんな発言があった時に、話し合う教材として作成しました。『それって思い込みじゃない?』の問いかけによって、生き辛さを抱えた子どもたちに『誰もが自分らしく生きることができる』という自己肯定感を持ってほしいいという願いを込めて作成しました。短く使い易さに拘った教材です。
【メッセージ】 最初の一歩は、大人が変わる。学校が変わる。この教材は、子どもの命と暮らしを大切にする『人権』教育の取り組みなのだと思います。誰もが自分をそのまま大切にできるようにするために皆さんと話し合いたいです。
発表⑨パフスクール
なぜライフヒストリーの共有が大切なのか。
〜Lの歴史を語り継ぎ、文字に残す「日本Lばなし」の試み〜
「日本Lばなし」とは、自分らしく生きる多彩な「L」の方々をゲストに招き、個人史を通して生きる知恵と勇気を共有してもらうプロジェクトです。今まで20回のトークイベントを開催し、その対話を2冊の講演録にまとめてきました。7年間の活動で痛感したのは、セクシュアリティとは性愛だけでなく生き方の問題であること。そして歴史を残すうえで大切なのは、事実を記すだけでなく物語を語り継ぐことだということです。今回は、日本Lばなしの目的や実際の進め方、そしてこの企画を通して参加者やスタッフが得たものをお伝えします。
【メッセージ】 私自身、インタビュアーとして間近でゲストたちの話を聞き、講演録にまとめるためにそのストーリーを繰り返し味わう中で、勇気づけられ、両親へのカミングアウトを果たしました。私たちが日本Lばなしを作る上で何を大事にしてきたのか共有できれば幸いです。
フェミ登山部
フェミニストたちは、今日も山を登る。
2022年春から、月1ペースで関西近郊の山を巡るトランスやクィア、シスやヘテロも参加する多様なフェミニストたちの登山部。トランス差別をはじめとしたあらゆる差別に反対し、自身の特権性に向き合いながら学び続ける姿勢を持つ、登山経験もまちまちな、20代から50代までの幅広い年代が集う。 念入りに計画を立て、地図を見て協力しながら山道を歩むことは大きな解放感をもたらし、想定よりも山にハマる部員が続出中。道中で、頂上で、帰途で、時には下山後にビール片手に、社会/自分/LGBTQ /フェミニズムについてとりとめない語りはフェミ登山部ならでは。
【メッセージ】 イベントとしての登山もいいけれど、日常の延長上にある2-3時間で下山できる近場の登山道の面白さを知ったので、暇な時間があれば地図とにらめっこしては計画に勤しむ。進むも止まるも自分で決める。山登りは人生の縮図のよう。登山の「沼」に一緒にハマりませんか。
NPOフラット
NPOフラット・ユース保健室
NPOフラットでは、フラっと寄れる、性・セクシュアリティに関する相談室「ユース保健室」を立ち上げました。「ユース保健室」は、10代~25才くらいの若者たちが、自分の身体や心、性ついて気軽に相談できたりセクシュアリティに関わらず安心して過ごせる場です。京都で活動をしています。
【メッセージ】令和4年9月に活動を開始したばかりですが、「ユース保健室」を始めた経緯や現在の取り組みについてご紹介したいと思います。