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多肉植物

マイクロアグレッショ
―日常生活に埋め込まれた無自覚の差別―

2月10日(金)10:30~12:00(~12:40交流会)

全編ライブQ&A

金友子(きむ うぢゃ)

単独チケット1000円
フリーパス5000円

なんてことのない日常のやり取りに潜む棘...

 「マイクロアグレッション」という差別概念が、近年、注目を集めています。これは、あからさまで分かりやすい差別とは対比される、曖昧な、それ自体としては問題がなさそうな言動として現れる、無自覚な差別を指す言葉です。あまりにそれとなく、なんてことのない日常のやり取りの一部なので、問題化するのがとても難しく、「差別」という言い方では語りにくい、非常に微妙な発言や行為です。たいてい善良な人から発せられ、発言者自身が気づいていないばかりか、聞き手でさえそれと気づかないこともあります。近年、こうした発言や行為を差別の実践と捉えて、「マイクロアグレッション」として問題化する議論があります。

 この分科会では、マイクロアグレッションについての理解を深めるために、その形態と具体例、被害、どう防ぎ、どう対処できるかについてお話しします。



【関連・参考サイト】
以前書いた論文「マイクロアグレッション概念の射程」はリンクからPDFファイルで読むことができます。(若干修正して『レイシズムを考える』(共和国、2021年)に所収されています)

【登壇者からのメッセージ】
 「日本語うまいですね」「留学生ですか」「あなたがはっきりものを言うのは韓国の人だからですか」「(大学の事務室で)コピー機が壊れたんですが......」。

 これらは、私が経験してきた、マイクロアグレッションに該当するであろう発言です。私はこれまで主に人種主義、民族差別的なマイクロアグレッションについて考えてきましたが、分科会では性的少数者に関連するマイクロアグレッションを取り上げてみます。自分がしてしまった時の対処法、自分がされた時の対処法について、みなさんと深め合っていければ、と思います。

金友子(きむ うぢゃ)

専門領域は在日朝鮮人をめぐる問題、ジェンダー研究・フェミニズム理論。

論文に「在日朝鮮人女性に対する日常的で微妙な差別」(『東方学志』191集4号、2020年、韓国語)、共著に『レイシズムを考える』(共和国、2021年)、翻訳に『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション―ー人種、ジェンダー、性的指向:マイノリティに向けられる無意識の差別』(共訳、明石書店、2020年、7章、8章、9章を担当)など。〈アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク〉会員として、在日朝鮮人女性に対する複合差別の実態調査にも携わっている。

 

アプロのFacebookページ

報告文

 この分科会では、 近年、注目を集めている 「マイクロアグレッション」という、曖昧な、それ自体としては問題がなさそうな言動として現れる、無自覚な差別を指す差別概念をとりあげました。
金さんご自身が受けてきたマイクロアグレッションや、性的少数者に関連するマイクロアグレッションなどを取り上げ、自分がしてしまった時の対処法、自分がされた時の対処法についても、具体的にお話しいただきました。

 Q&Aでも、参加者の皆様からたくさんの質問をいただき、時間の許す限り、金さんにお答えいただきました。また、分科会後の交流会でも、金さんと参加者が交流しました。

【参加者の感想】

 
  • とても分かりやすくお話しいただきありがとうございました。私自身、マイクロアグレッションの概念を知っていながら、後から、「もしかしたらこの発言は、意図せずにこう受け取られたかもしれない」と気づくことがあります。率直に、お詫びと自分の気持ちを伝えていこうと思います。
  • 金さんの体験を含めた貴重なお話をありがとうございました。今後も意識し続けたいテーマとなりました。
  • 基礎的なことから分かりやすく説明くださったし、事例が多くて理解が深まりました。多くの人に広まれば良いなあと思いました。私も身近な人から伝えていこうと思います。
 
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