Since 2013
LGBTQ+とスポーツ
2月4日(土)16:30~18:00(~18:40交流会)
録画上映+ライブQ&A
井谷聡子(いたに さとこ)関西大学文学部准教授
スポーツから排除されがちなLGBTQ
体育の授業は好きでしたか?今、運動習慣を持っていますか?運動することでなまった体をほぐしたりリフレッシュしたり、趣味として野外活動やスポーツに取り組むことは、多くの人にとって人生を豊かに生きていく上で重要なものです。しかし、LGBTQ+の人々は、そういった場においても排除されがちです。海外の研究には、LGBTQ+の大人はシスジェンダー・ヘテロセクシュアルの人に比べて運動習慣を持っている人が少ないことや、運動機会からの疎外による健康格差を指摘するものもあります。一方で、先のオリンピックでは、過去最多の約250人のアスリートがLGBTQ+であることをカミングアウトして出場しました。LGBTQ+の人たちにとって、男女二元論、女性蔑視、異性愛中心主義が色濃く反映されるスポーツとは、どのような場なのでしょうか。また、「生物学的性別」を問われるスポーツの場でトランスジェンダーの人々をどのように考えたら良いのでしょうか。スポーツとジェンダーが専門の井谷聡子さんにお話頂きます。
井谷聡子(いたに さとこ)関西大学文学部准教授
カナダのトロント大学博士課程修了。関西大学文学部英米文化専修で北米の身体文化とジェンダー、セクシュアリティに関する授業を担当しています。現在は、スポーツにおける多様な性をめぐる問題や、オリンピックがもたらす社会問題、そして体育におけるLGBTの生徒の経験や、体育嫌いになる生徒たちの経験について研究しています。
主著『〈体育会系女子〉のポリティクス―身体・ジェンダー・セクシュアリティ』(2021、関西大学出版)、『オリンピックという名の虚構』(ヘレン・レンスキー著、監訳、晃洋書房、2021年)、『オリンピック―反対する側の論理』(ジュールズ・ボイコフ著、監訳、作品社、2021年)
主論文 「男女の境界とスポーツ―規範・監視・消滅をめぐるボディ・ポリティクス」『思想』2020年第4号(156-175, 2020年)ほか
関連資料
『エトセトラ Vol.6 特集スポーツとジェンダー』(2021年、etc.books)
日本スポーツとジェンダー学会
PEGP科研プロジェクト『体育・スポーツのジェンダー・セクシュアリティのポリティクス』
名古屋大学の国際シンポジウム「ケアの倫理と人文学」 (2023/1/28・29)登壇「トランス・アスリートとケアの倫理の交差点」というテーマで講演予定。
セクマイ実行委員の押し!資料
井谷さん所属のPEGP研究プロジェクト制作のリーフレットが、良い!
体育・スポーツのジェンダー・セクシュアリティのポリティクス
ー「誰も置き去りにしない体育」をめざしてー
こんな方におすすめ!
体育の先生はもちろん、あらゆることが男女別になっている学校現場に従事している方々にも「性別とは何なのか」を問い直す機会として是非ご覧頂きたい分科会です。「体育は男女別が当たり前」という考えが変わるかもしれません。また、健康格差の解消を目指す医療者の方々にも「social determinants of health」(健康を決定する社会的要因)を理解する上でのヒントを得て頂ければと思います。華やかに見えるスポーツ界で、LGBTQ+の当事者であるということ。改めて考えることで、これまでよりもっともっと選手へエールを送りたくなること間違いなし。
(実行委員:塩安)