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性的同意について考える

2月3日(金)10:30~12:00(~12:40交流会)

​全編ライブ

染矢明日香(NPO法人ピルコン理事長)

きのコ(文筆家)

単独チケット1000円
フリーパス5000円

​「性的同意」を掘り下げる

「性的同意」とは、性的な行為に対して、その行為を積極的にしたいと望むお互いの意思を確認することで、人権の上でも、関係を構築する上でも、とても大事な概念です。この分科会では、NPO法人ピルコン理事長の染矢明日香さんと、『わたし、恋人が2人います。〜ポリアモリーという生き方〜』の著者であるきのコさんと一緒に「性的同意」について考えていきます。


【トピック】
・性的同意とは?

・性的同意の解像度(どういう細かさで性的同意をとるか)

・性的同意が難しい場面とは?

・ポジティブな(セクシーな?)性的同意のとりかた

・性的同意を豊かな性生活や人間関係に活かしていくには?

・ポリアモリーと性的同意の関係性とは?

 


【性的同意関連・参考サイト】

ピルコン 性的同意

セイシル ちゃんととれてる?性的同意


【ポリアモリー関連・参考サイト】

ポリーラウンジ

わたし、恋人が2人います。~ポリアモリー(複数愛)という生き方~

【登壇者からのメッセージ】

染矢さんからのメッセージ
性的同意は、お互いが安心して親密なコミュニケーションを取るときに役立つ概念です。私たちも海外の情報や若い人たちの声を参考に、発信をしてきました。一方で、日本の文化的背景として、性についてのタブー感が根強くあります。性について言葉にしたりオープンに話すことを、戸惑ったり不安に思ったりパートナーの反応が心配になったりするのも自然なことです。このセッションでは、皆さんと性的同意について共有しながら、どのような工夫ができるのか、取り入れることでどんな関係性の変化が起こり得るのか考えられたらと思います。


きのコさんからのメッセージ

日本には「本音と建前」という考え方がありますよね。口で言っている「建前」と心で思っている「本音」は別のもの、ということです。そして、その考え方の延長として「嫌よ嫌よも好きのうち」といわれることがあります。特に女性が男性から誘われた時に、口では「No」と言っていてもそれは実は「Yes」なんだ、という意味です。でもそれって、本当にそうなのでしょうか?私が発信しているポリアモリーという生き方は、関係者全員の合意のもと3人以上で交際するという恋愛スタイルです。つまりポリアモリーにおいては、性的な行為に限らず、交際におけるさまざまな合意を細かくとっていくことが何より重要とされるのです。それも含めて今回の分科会では、性的同意を中心に「そもそも、同意って何だろう?」「同意がないと、どういう問題が起こるんだろう?」ということについて、皆さんと考えてみたいと思います。

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染矢明日香(そめやあすか)
NPO法人ピルコン理事長

自身の経験から日本の思いがけない妊娠・中絶の多さに問題意識を持ち、性の健康啓発を行うNPO法人ピルコンを設立。中高生などの若者を対象とする性教育講演やコンテンツ制作の他、保護者や教育関係者向けの性教育講座も定評があり、自治体からも多く要請を受ける。政策提言や、海外の性教育動画AMAZEの日本語訳プロジェクトも推進。思春期保健相談士、公認心理師(取得見込)。
著書に『マンガでわかるオトコの子の「性」』、『はじめてまなぶ「こころ」・「からだ」・「性」のだいじここからかるた』。

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きのコ/文筆家

すべての関係者の合意のもとで複数のパートナーと同時に交際する「ポリアモリー」として、恋愛、セックス、パートナーシップ、コミュニケーション等をテーマに発信している。ジェンダークィア(ノンバイナリー)でクワロマンティックなLGBT当事者。子無しでバツイチ、セックスポジティブな自称ビッチフェミニストでもある。

著書に『わたし、恋人が2人います。〜ポリアモリーという生き方〜』。

ポリアモリーに関する複合イベント

#ポリアモリーウィーク 2023」2/20(月)〜2/26(日)

チケット購入とイベント詳細こちら→ http://polyamoryweek2023.peatix.com

報告文

 最近、特に重要視されている性的同意について、「性的同意とは?」「性的同意の解像度(どういう細かさで性的同意をとるか)」「性的同意が難しい場面とは?」「ポジティブな(セクシーな?)性的同意のとりかた」「性的同意を豊かな性生活や人間関係に活かしていくには?」「ポリアモリーと性的同意の関係性とは?」といった多角的なテーマで、性教育に関わる活動をされているピルコンの染矢さんと、ポリアモリーに関する発信を活発にされているきのコさんにご登壇いただき、お話しいただきました。基礎的な話から、具体的な事象まで、単に建前だけでなく、本音でお話しいただき、とても示唆に富む分科会になったと思います。

 Q&Aでも、参加者の皆様からたくさんの質問をいただき、時間の許す限り、お二人にお答えいただきました。また、分科会後の交流会でも、登壇者と参加者が交流しました。

【登壇者からのメッセージ】

★染矢さんからのメッセージ
 性的同意を話題にする時、「恥ずかしくて言いづらい」「同意を確認してこなかった自分は性暴力をしていたということか」「ムードが壊れるのでは」という意見もある一方で、「もっと早く知りたかった」「あの時のあのモヤモヤは、尊重されてよかったんだ」という意見もとてもよく耳にします。

 「こう言えば確実に同意がとれる」というマニュアルやただ一つの最適解がない中で、対等でオープンな関係性を前提に、かかわる人との安心や納得感を目指し、すり合わせ、模索していくプロセスという点で、性的同意とポリアモリーについての共通点を感じた方も多いのではないでしょうか。また、「女/男はこうあるべき」というジェンダー規範にも大きく左右され得るトピックでもあります。

 誰もが安心して、他の人の権利を尊重しつつ、心地よい性的な体験を楽しむ可能性を持てるよう、どのように実生活で知識を活かし、コミュニケーションを重ねていけるのか、皆さんのヒントになることがあればうれしく思います。

★きのコさんからのメッセージ
 分科会「性的同意を考える」で話すのは、自分にとっては難しい挑戦でした。自分自身が、性的同意がとれていない状態をどう認識したらよいか、どのように性的同意をとればよいか、100%完璧に分かっている自信がないからです。そして自分が年齢を重ねるほど・アクティビストとしての知名度が上がるほど、性的同意をとる難易度が高まっていると感じています。

 特に自分より年齢や権威性が低い相手と対等な関係を築いて性的同意(のみならず、ポリアモリーにおいて重要なあらゆる合意も含めて)をとろうとする時、相手の「Yes」が本心なのかどうか、見極めることは困難だと思います。相手は私の年齢や権威性に気兼ねして「No」と言いたいのに「Yes」と言ってしまうかもしれない。「合意させられてしまう」という状況に対して「嫌なら嫌とハッキリ言えない方が悪い」とはとても言えません。
 
 それをどのように確認すればいいのか、いまだに正解を見出せないでいます。アクティビストとして知名度を上げていきたい自分と、プライベートで他人と対等に恋愛やセックスを楽しみたい自分との間で、私は今後も迷い続けながら、それでも対話を諦めないでいたいと思います。


【参加者の感想】

・異性愛寄りの話になったので、少し残念。

・1994年に「実験社会心理学研究」という学会誌に「恋愛関係の排他性」という概念を提唱する論文を書きました。30年前、これが人間関係の基本だと考えておりました。この分科会での議論を拝聴していて、この着想がやはり正しかったと感じて、何だか涙が出てきました。

・性的同意について先生方のお考えを聞くことが出来勉強になりました。質問も聞きたいことが聞けて有意義な講演でした。

・仕事をしながらの参加でしたので、所々集中できない場面がありましたが、目からウロコの情報や改めて深く考えられる機会となりました。アーカイブでじっくりもう一度聞きたいと思います。

・さまざまな問題が出されていて、とても面白かった。

・聞けて よかった

 
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