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【登壇者】
損害保険ジャパン株式会社 今将人(人事部ダイバーシティ推進グループ )
freee株式会社 吉村美音(経営管理本部 人事採用部 兼 ダイバーシティ推進室室長)
株式会社ベルシステム24 川田亜紀子(ダイバーシティ推進グループ)
株式会社ベルシステム24 林健太郎(CS第2事業本部)

【開催形式】録画配信+LIVEでQ&A

「ダイバーシティ経営」や「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」という言葉が日本で認知されはじめたのは、ここ十数年のこと。LGBTをはじめとする性的少数者の職場での問題にも関心が高まっていますが、企業側の取り組みは進んでるとは言い切れず、当事者の側も組織への働きかけをしにくい現状が続いています。 令和元年度に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「職場におけるダイバーシティ推進事業」の調査(厚生労働省委託事業)から、現状を見てみます。


 性的少数者に対する配慮や対応を意図した取り組みを行っている企業は、従業員1,000人を超える規模であれば4割を超えるものの、中小規模企業を含めた全体では1割程度と非常に少なくなります。着手のきっかけも「社会的な認知度の高まり」や「同業種や周囲の企業の取り組みを見て」が多く、当事者からの働きかけは比較的低め(2~3割程度)です。そのような中で、取り組みを行わない企業では約半分がその理由を「社内に性的マイノリティ当事者がいないため」と回答しており、取り組んでいる企業が挙げる課題も「当事者のニーズや意見を把握することが難しい」「どのような取り組みを実施すればよいのかわからない」「取り組みを行うための知見を持った人材がいない」がTOP3を占めています。

 一方、労働者側から見れば、当事者の10人に1人以上が「異性愛者(あるいは自認する性別と異なる性別)としてふるまうこと」や「プライベートの話がしづらいこと」を就業上の困っていることとして上げていたり、4~5割の人が「自社に性的マイノリティを受け入れる雰囲気が無い/どちらかといえば無い」と答えている状況です。そこで、本分科会では、実際に当事者やアライ(支援者)がダイバーシティ推進を担っている日系企業3社から各社の事例を伺います。現在の取り組み状況の紹介だけでなく、「当事者やアライとして他の従業員にどのような働きかけをしていったのか」「どういった壁にぶつかっては乗り越えていったのか」など、経営・人事等の制度を構築する立場からの目線だけではなく、従業員目線で自社をよりよくしていく経験が共有される予定です。


【メッセージ】
企業でのダイバーシティ&インクルージョンの重要性が広く認知された今でも、実際に性的少数者に対する配慮等を実施・検討中の企業は3割程度。人事担当者は勿論、働く当事者の中にも、組織に働きかけたいがどうすればよいかわからない、壁にぶつかっているという方もいるのではないのでしょうか。本分科会では、従業員自身が主体となって企業内での支援に取り組む損保ジャパン、freee、ベルシステム24の担当者が、各社での取組を紹介します。

報告

本分科会では、当事者自身が社内でのダイバーシティ推進に積極に取り組み、任意団体work with Prideの定める「PRIDE指標」にてゴールド指標を取得している、freee株式会社、損害保険ジャパン株式会社、株式会社ベルシステム24(株式会社ベルシステム24ホールディングス)にご登壇頂いた。(社名は登壇順)

前半は各社20分程度の事例発表、後半は登壇者間の質疑応答の時間を設けた。

 

事例発表は次の通り;

freee株式会社・吉村様:「Ally企業freeeの作り方」と題した発表で、当事者が社内を「変える」ためにやったこととして「味方を可視化すること」「敵を作らないこと」の大きく2つを挙げ、Ally社内や社外パートナーの巻き込み方等を解説。

損害保険ジャパン株式会社・今様:社内外のLGBT施策を紹介。グループ人権ポリシー改定といった大きな施策から、社内での教育活動、ALLYの見える化を目的とするALLY宣言ツール、社内でのPRIDE Month開催など、大小の様々な取組を計12点紹介。

株式会社ベルシステム24・川田様、林様:前半はダイバーシティ推進担当者の川田様が2016年の取組開始から2019年にPRIDE指標でゴールドを取るまでの取組を時系列で紹介。後半は当事者の林様が他の当事者社員と対談したり、社内コミュニティのメンバーと一緒に活動紹介を行うなど、「人事ではない当事者従業員」の目線で活動を案内した。

 後半は、それぞれの発表を受け登壇者間で相互に質疑応答をした。「多くの施策を矢継ぎ早に進める上での心がけや障害」「短期間で体制を大きく変えることが出来た理由」といった人事担当者ならではの質問だけではなく、「企業としてレインボープライドにどのように参加したか」「社内でのPRIDE Monthの取り組み内容」といった具体的な取組内容、「社内コミュニティのメンバーの集め方」「社内コミュニティのメンバーを増やすにあたって、良かったイベントやインパクトのあったイベント」といった社内コミュニティの活性化に関する疑問、さらには「無理解な会社に失望して今の会社に転職したが、会社の理解の無さに失望する前に何かできることはあっただろうか」といった当事者ならではの質問も飛び出した。

 最後に参加者からの「社内の雰囲気が変わってきたなと思う施策、取組を教えてほしい」という質問に、freee・吉村様は「代表者が全社向けミーティングでLGBTQに触れた時」「東京レインボープライド後など、みんながその話題で盛り上がっている時」。損害保険ジャパン・今様は「社内コンテンツにLGBT当事者として社員が登場したこと」のほか、今様の活動を見て「顧客から自社のLGBT施策について問い合わせがあった時」。ベルシステム24・川田様は「(現場ではLGBTの同僚を認知している社員が多かったが、そうではない)役員の意識が変わったのは、外部有識者を招いて講演会を行った時」とそれぞれ回答した。

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