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性教育教材プロジェクト~「性別思い込みあるある」実践報告
性教育教材プロジェクト~「性別思い込みあるある」実践報告
2021年1月16日 15:00 – 16:30
録画配信 + LIVEでQ&A + ブレイクアウトルームで参加者交流

報告文

この分科会には、70名以上の参加があった。

 動画の前半は、塩草立葉小学校4年生に、李幸美先生が「性別思い込みあるある①(ピンクのかばんだなんてオカマみたい)」を実践する様子を30分にまとめたものを上映した。授業をどのように進行するのか、生徒はどのように反応するのか、実際の教室の様子がつぶさにわかるVTRは、現場の実践者に大変参考になるものであった。具体的にどのように「性別思い込みあるある」という教材を使うのか、それと併用して使う教材(今回は「くまのトーマスはおんなのこ」という絵本)がどのように学習を深くするのかなども、ひとつの実践として提示できた。

 動画の後半はこの教材を作っている教員メンバーが実践の中でどのような生徒の反応を得ているか、それをどのように感じているかが、子どもたちの実際の感想文とともに丁寧に語られている。初恋が女の子だった不登校気味の女子生徒が、授業を繰り返していく中で、自信を取り戻し、学校にくる回数が増えていったこと、普段は荒れたクラスでもこの授業だけは真剣に全員が発言し、それをシーンと聞いてそれぞれが納得していく様子など、この教材が子どもたちの心に何かを届ける機会になっていることが伺える。

 動画後は、2~4人のグループに分かれて授業動画や教材の感想を述べ合う時間を20分程度取り、意見交換した。全国からの参加があり良い出会いの場にもなったと思う。

 

「性別思い込みあるある」シリーズの教材制作は引き続き行っていく。遠隔でも制作会議に参加可能なので、興味がある人は是非関わって頂きたい。(お問い合わせはこちらへ。)

企画者:塩安九十九

アンケートより抜粋

  • 実際の小学生の反応を見ることができたのは新鮮でした。またグループワークでは普段出会えることのない方とも話ができ、刺激を受けました。中学生への取り組みの実践も見れたら良かったです。先生方の共有も、先生方がこのように考えて取り組んでいるのだなと知れて、未来は明るいなとおもったと同時に、まだまだこのように考えてくれる先生も少ないんだろうな、と思うので、子どもたちへの教育と同時に、大人たちへの教育をどう進めていくのかも課題だなと思いました。

  • とてもいい取り組みで、実際の「声」を沢山聞けてよかった。

  • 研究結果を、良い形で社会に還元できるように、一緒に考えていきたいと思った。

  • 性教育のプロジェクトにかかわっておられる先生方が、全員、見た目「女性」に見えました。(見た目で判断してしまってごめんなさい。)性教育に係る先生方の比率にジェンダー格差があるのでしょうか?

【登壇者】
4年生授業実践:李幸美(塩草立葉小学校

小学校教諭(太田陽子、川端多津子、北川好美、小池けい子、吉岡有可)
塩安九十九(新設Cチーム企画

【開催形式】録画配信 + LIVEでQ&A + ブレイクアウトルームで参加者交流(※)

 近年、LGBTQを学校現場で教える実践が少しずつ広まってきた。しかし、教員の知識不足で取り組みに及び腰になっている現状がまだある。教員が気軽に取り組めて、子どもたちにも馴染みやすい教材が必要とされている。当会、新設Cチーム企画が2011年に制作したDVD「いろんな性別~LGBTに聞いてみよう」の制作関係者に再度呼びかけ、2019年夏、新たな教材作りをスタートさせた。2020年秋の時点で、教材は5つ完成し、実際に小学校の現場でも実践が重ねられている。

 この分科会では、実際に小学校での実践がどのように行われているか、4年生の授業の様子を撮影したものを上映する。教材制作がどのように行われているか、内容に統計データなどのエビデンスをわかりやすく入れ込んだ意図なども含め、工夫している点などを現役教員から紹介するとともに、これまでの実践の中で得られてきた児童生徒たちの反応を感想文などから分析し、性教育の重要性と時代に合った教材について検討を深める。質疑応答では、現場での導入方法や、管理職・保護者へのアプローチなどについても参加者と共に発展的な議論ができることを願っている。

このプロジェクトは、2020年冬に「大阪市性の多様性尊重大賞」の優秀賞を受賞した。

【メッセージ】

 男女機会均等法ができて35年。いまだにジェンダーギャップ指数121位の日本は、相変わらず男尊女卑と家父長制を固持し、トキシック・マスキュリニティ(有害な男らしさ)とホモフォビア(同性愛嫌悪)を再生産し続けています。これは、男女にとって生き辛いだけでなく、LGBTQを排除・孤立させる社会構造です。根本的に効果のある性教育とはどんなものなのでしょうか?「くん」「さん」付けが復活し、後退していく学校現場をどのように啓発していくべきなのでしょうか?教育現場のみなさん、実践されている方々に是非ご参加ください。活発な議論の場になることを期待しています。

    ※ご確認ください!※
 

分科会後半に、15分程度ブレイクアウトルームを使って少人数で教材について意見交換をしてもらいます。ブレイクアウトルームへの入退室についての操作は、こちらをご確認下さい。
また、手話通訳が必要な方はブレイクアウトルームに割り振られた後に、自分でメインルームに戻って手話通訳と合流してから、お好きなグループへ加わって頂きますようお願いいたします。文字通訳が必要な方は、メインルームにてワークをさせて頂きます。

★グループワークの内容

 トピックごとに話を回していく

  1週目・自己紹介と、この分科会を選んだ動機

  2週目・動画の感想、自分の実践があれば紹介

  3週目・どんな教材がほしいか

  4週目・アドバイスしてもらいたいこと、他者の意見を聞いてみたい件

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