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ハワイからのトランスジェンダーヘルス報告
ハワイからのトランスジェンダーヘルス報告
2021年1月10日 13:00 – 14:30
録画配信+LIVEでQ&A

報告文

この分科会には、70名以上の参加があった。

 前半のOut and Aboutでは、ハワイの保健省が主導で行っているLGBTQフレンドリーな医療機関、企業リストの一覧化プロジェクトについて、当事者として関わっているタイさん、LGBTQの企業活動を組織しているレインボー商工会議所からスカイラーさんを招いたトークセッションを日本語字幕をつけて紹介した。ハワイでの官民あげてのLGBTQへの取り組みは、日本の保健行政との違いを感じさられた。

 後半は、スカイラーさんに司会がインタビューする形で、ハワイの日常的なLGBTQの状況や、ハワイならではの文化に根付いた第三の性「マフ」についてなど、ハワイの暮らしや文化を知ることができた。また、大規模に行われているユース向け調査によって、トランスジェンダーユースが抱える健康格差を示す調査報告書を参照することで、学校や教育現場にも示唆のある情報提供となった。周辺化されがちなLGBTQの問題を、どのように社会リソースを使って対応していくか、スカイラーさんのケースワーカーとしての知識や経験を紹介してもらうことにより、日本の社会福祉医療関係者にも大いに参考になる分科会となった。

アンケートより抜粋

  • ハワイでの実践について、詳しく知ることができました。スカイラーさんのお話、とても分かりやすく、親しみが持てました。最後のほうの質問で、日本に望むこと、インターセクショナリティの理解をというお話、印象に残りました。

  • 普段聞くことができないハワイの事情ついて知ることができ、大変勉強になりました。私の中で印象に残っているのは「マフ」という文化と免許証で性別Xが誰でも選べるということです。LGBTQという概念が広まる前からあった「マフ」がハワイでとても大切にされている言葉であることが分かり、とても素敵な文化だと思いました。また、免許証のお話では、Xがあることもそうですが、誰でも選べるという部分が特別なものという感じがせず、まさに多様性を表しているように感じました。日本で導入しようとすると、だいぶ反発がありそうだなと思いつつお話を聞いていました。

  • ハワイのトランスジェンダーへの取りくみが大変分かりやすく紹介してくれた。最初の3人の導入から始まって概要を知り、後半のスカイラーへの日本語でのインタビューでより深めることができた構成もよかった。また質問にも丁寧に答えてくれてありがたく思いました。社会資源が活用できる情報の提供がよかった。

  • まとまった資料をいただけたことがありがたかったです。またハワイでの取り組みを聞くことで、その土地の文化を尊重することの大切さも思い出しました。

  • ハワイはとても進んでいる!!!州政府がバックアップしてググって出てくるなんて本当に素晴らしい。ネイティブハワイの歴史だからこそなのかな。お手本にしたいですね。

  • ハワイ州の取組(州保健局の取り組みや、運転免許証の性別記載欄のこと、支援情報をネット等でアクセスしやすくするなど)素晴らしいと思いました。情報や知識がないと理解は深まらない、という姿勢で取り組まれていることに励まされれます。また、マフについても知らなかったのですが、きっとどの文化圏でも男女に区別されない性の存在が、近代化とともに都合よく区別されたのでしょう。歴史も学ぶ中でヒントがあるかも知れないなと思いました。またQ&Aで塩安さんとskylerさんの親しい雰囲気のやりとりが良くて、見ているこちら側もホッとするような和やかな気分になりました。

【登壇者】
スカイラー・セメラ(Pacific Gateway Center)
​司会:塩安九十九


【開催形式】録画配信+LIVEでQ&A

録画(英語音声・日本語字幕30分+日本語音声・日本語字幕30分)

Q&A(基本的に日本語)
Video (English with Japanese subtitle 30 min + Japanese 30 min)
Q&A (Mainly Japanese)

この分科会では、ハワイ在住のスカイラーさんにナビゲーターをお願いし、トランスジェンダーにまつわる医療や健康についてレポートして頂きます。また、ホノルルでLGBTQの人たちの暮らしぶりや、ハワイのの伝統的な第三の性のあり方とトランスジェンダーとの関係なども紹介して頂きます。
ハワイにある、SGM(Sexual and Gender Minorities (SGM) Resource Hub)はLGBTQなどによるLGBTQのためのリソースセンターです。このネットワークを活用し、当事者の看護師やソーシャルワーカーがトランスジェンダー当事者のトランジションや日々の問題に対応しています。

 

参考資料 Hawaii Sexual and Gender Minority Health Report 2018
 

【メッセージ】
日本ではトランジションを包括的に診てくれる医療機関や専門家が不足しています。ハワイの実践を参考にしながら、日本のトランスジェンダーの健康についてもっと積極的に取り組んでいくためのヒントにして頂きたいと思います。トランスジェンダー支援を医療、福祉方面で行っている方に、是非参加して頂きたい分科会です。

■プレゼンター
スカイラー・セメラ(スカイラー・スメラ)((they / them / theirs)

スカイラーは、日本とアメリカ本土の様々なLGBTQ+非営利団体のボランティアとして人権擁護活動を始めました。現在は、恵まれない環境に置かれた人々、根絶された人々、避難民に奉仕する非営利団体パシフィック・ゲートウェイ・センターのビジネスサービス・ケースマネージャーとして、アドボカシー、IT、国際ビジネスのバックグラウンドを活かして、ハワイのスモールビジネスコミュニティの多様化に貢献しています。ベロアカレッジで国際関係学と日本語の学士号を取得し、日本語能力試験N1級を取得しています。日本に10年近く滞在した後、2019年にオアフ島に移住し、パートナーと1匹の小さな毛むくじゃらのポイ犬と一緒にヌアヌに住んでいます。

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